005 浜野安宏

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ナレーション:
今年一月、円山町にオープンしたシネコンとカフェレストランの複合施設、Q-AX。

新たな街のランドマークの仕掛け人は、浜野安宏氏。そして一階のTheater 6 cafeを手掛けたのは、黒崎輝男氏。

今、何故円山町なのか、何故シネコンなのか、聞いてみた。

日本映画再生

浜野氏:
円山町については、20年以上前からランプリングストリートという呼び方で、浜野商品研究所時代のスタッフ達が円山町に目を付けてオンエアー・イースト/ウェストを作ったわけよ。

で、それをサポートしていた企業があるんですね。その企業はバブルの崩壊か何かで一時、力が弱まったんですけど、何とかしなきゃいけないな、あそこは最後のイタリアの山岳都市みたいな所で大企業が手を付けられない聖域だと思っていたから。「いずれ、俺達がなんとかしないといけないな」っと思っていたんですね。

そこへ、まあ小型映画館を普及させる事が日本映画を良くする道だと僕が思い詰めていくわけね。それで、アンジェリーカ・シアターに習ってQ-AXシアターを作ろうとするんですが、3年半路頭に迷うというか。何故かというと、家賃が高いから。映画館に見合う家賃で借りられないんですよね。「映画館は人が一杯いる所でないとダメだ」と、アンジェリーカに強く言われたので、「うーん、難しいな」っと思っていた。

そこで、Q-AX関係者の一人が(円山町の)空き地を見つけてきて、文化事業でないと売らないという競売制度に乗って、我々は応募して、円山を取れたと。だから、最初はかなり前にさかのぼるんですよ。

青春の場としての思い出

浜野氏:
そのもっと前を言うと、僕は京都から出てきて、モダンジャズフリークの高校生が東京で、京都の様な何か佇まいのある所を探していくと、どうしてもあそこに辿り着いてしまう。新宿にはモダンジャズ喫茶はあるけれども、旧赤線地帯にあって、何か(円山町の)丘や階段のある所にモダンジャズ喫茶があるというのが、しかも恋文横町があってゴチャゴチャしてて非常に選択肢の多い所にモダンジャズ喫茶があるので。

僕は「オスカー」という喫茶店に居つくようになったんですね。その頃は、「デュエット」というのがもう一つあって、そこにたむろしていた日活の連中が撮った映画が、蔵原惟繕監督が『狂熱のデュエット』という日本のヌーベルバーグといわれる作品を撮ったのは、あの辺のお陰だろうと思いますね。私なんかもそれに凄く恩恵を受けていて、なかなかガールフレンドが見つからなかったんだけど、うぶな奥手の大学生としてはやっとモダンジャズ喫茶でガールフレンドができたという、そういう記念すべき場所でもあるという事やな。