004 アヤ ジューズ

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ナレーション
毎年、海外から400万人以上が押し寄せる国際都市、東京。
そんな中、「日本の性」について研究したいと、一人のプロカメラマンが北欧スウェーデンから、はるばる円山町へやってきた。

彼女の名は、アヤ・ジューズ。有賀氏に会って話を聞きたいという。彼女は何を思って来日し、有賀氏に会って何を感じ取ったのだろうか?

日本に来た理由

アヤ
2、3年前に展覧会で来日する機会があって、それでまず「日本の全て」についてのプロジェクトを始めたの。その写真展はスウェーデン大使館でやったのよ。

日本についてのプロジェクトがしたくてしょうがなかったの。だから、本当にたくさんの事を調べたわ。「日本の特色は何だろう?」とか、「日本って何?」とかね。

たくさんの人にも会ったし、相撲とか芸者みたいなかなり伝統的な物も見たわ。それはそれで面白いんだけど、「日本の性」はものすごい強くて、至るところで形としても見える事に気がついたの。

「性」って世界中どこでも力強くて、商業的にも使われていて……、要するに、「性」は物を売る際に重要な物なの。

でも日本のそれは、私が生まれ育った場所とは違っていて、ヨーロッパとも、私が行った所のどことも全く違っていたわ。

だから、日本について良いプロジェクトを行うためには「日本の性」について十分な調査を含めないといけない事に気が付いたの。

というのは、「性」は日常の生活スタイルとか、現在の全ての商業に強い影響力を持っているから、東京がいい例だわ。

更に私が漫画とかを通じて見つけた「性」はたいていの場合とても攻撃的で、女性はいつも苦しみを感じているように描かれていて、ずっと涙を流していたり、こんな風だったりして。

「何で?」って思ったわ。
私の理解の範疇を超えていたの。

人はそれぞれの感覚を持っているし、他人の感覚なんて気にしないのだけれど……。「何で?」って単純に思ったの。

それで「日本の社会」と「日本の性」についてのインタビューを、日本の女性と日本の男性にし始めたの。

有賀氏に会ってみて

有賀さんは、古い時代の小さな財産のようだと思うの。とても思いがけない人だったわ。彼に会えて本当に良かった。

あと、この場所って「おおっ!」って驚くような隠れた場所でしょ。だから、私は彼を渋谷で見つけた小さな宝石だって思うの。「わぁ!小さいけれど輝いているものが!」って。

たくさん聞きたい事があったけれど、今日は時間が少なすぎたわ。本当に興味を持っていたの。

何故なら、彼は長い人生を送っているだけじゃなくて、東京や渋谷との繋がりがあったり、ラブホテル経営をやっていたりと様々な顔があって、なかなかいない人だから。

彼に会えて本当に良かったわ。

日本・東京の魅力

ナレーション
ハチャメチャさから生じる未知の「面白さ」・「新しさ」。日本、そして東京にはそんな魅力があるのだと、彼女は言う。

アヤ
原宿に住んでいた時、ヨーロッパに四ヶ月程行く機会がったの。

で、帰ってきたら5、6階建てくらいの新しい建物が家の隣に建ってて、「何でこんな物が建ってるの?」って。

これが日本であり、東京なの。速すぎるわ。スウェーデンは全ての物が古くて、手を加えずに壊さないで保存しておきたいってみんな思うから、もしこんな事がスウェーデンで起こったら悲しいわ。日本にはそんな感情はなくて、ただただ新しい物を作ってる。

でも、次なる展開が常にある事が前提とされていて、いつも新しい事が起こっていて、絶えず変化している点から考えると面白いと思うの。

ヨーロッパはずっと変わらないわ。今まで何百年もあったし、これからもずっとあるでしょう。でも、ここは常に変化してるの。

円山町を歩いてみて

ひとつのエリアにたくさんのラブホテルがあるっていうのは、そのエリアの非常に特殊な特徴になると思うの。独自の路線を行っていて、ほとんど類がないわ。

至る所で簡単に「性」が売られているから、時々好ましくないと思うの。それでも、それは社会や人間の文化の一部分でもあるから興味深いと思うわ。だから歩き回って、色々みるの。

そうね、だから狭いエリアにこのような場をたくさん置く事で、何が新しく生まれるのかをみるのは面白いわ。

何が起こるのかをただ歩いて見ているだけで面白いの。

ナレーション
日本古来の諸行無常という考えを感じ取ってか、我々の問い掛けに、こう答えた彼女。

絶えず変化し続ける事を要求された土壌だからこそ、日本・東京は常に一か八かなのかも知れない。