005 浜野安宏

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来歴

ナレーション
有賀千晴さん、御歳89。
長野県出身の有賀さんは、戦後、ここ渋谷・円山町にて旅館経営に携わって以来、渋谷のみならず、全国の旅館組合を牽引してきました。

1954年、37歳にして渋谷旅館組合、渋谷環境衛生協会、渋谷食品衛生協会、渋谷災害予防協会、渋谷防犯協会理事就任をかわきりに数々の要職を歴任。

初めての受賞は、1961年の東京都衛生局長感謝状。それ以後も受賞を重ね、その数、計19回。1983年に東京都知事表彰を受けると、翌年、「教育・衛生・殖産開発などの事業を興し公衆の利益に功績著名な者、または公共の事務に勤勉し労功顕著な者に」授与される、藍綬褒章を授章しました。

強盗に遭遇

有賀氏
そこにフロントがあるでしょ。
強盗犯がそこに来てね、(従業員の)女の子が後ろを向いていたら、担当をかざして、「金を出せ」といって、脅していた。

そこにちょうど僕が、自室から出てきて、(犯人が)僕を見たら、逃げ出しちゃった。

包丁も、持っていた黒い袋も、それを持っていって、逃げ出しちゃったんだ。

僕はそのままほっといたんだ。

そしたら、刑事課が来てね、(犯人が)この渋谷の街を幾通りも歩いていて、自首しようかな、逃げようかな、と思って(犯人が)迷いながら歩いていた。

刑事課が、その男を連れてきた。それで僕は自分なりの考えを言ったんだね。あの刑事も優しい刑事でね、色々(犯人に)教えてやって下さいって言うから、

「いや、教える立場でないけれども、そんな小さな事で人生を失ったらお前さん後悔するぞ。もう少し真面目にやれ。金なんて無くたって、食っていけるんだから、頑張りなさいよ」って。

そしたら、最初の手紙が来てね。「一生懸命勉強しています。仰るとおりの人生を送りたいと思います」って。それくらい一年くらい経ってから、また、今度は封書で手紙が来た。「今、勉強して仕事を習っています。これからもご迷惑を掛けるような事は、一切しない覚悟で働いております」って。その手紙がありますよ。それは、しっかりした字で書いてあったね。最初の手紙と次のとでは、字が違っていたね。それだけ立ち直ったんだね。

何かしら犯罪の名前を付けなきゃいけないということで、道路交通法で起訴したんだ。それで、罰金を少し納めて終わったんだ。